日本キッズボクシング協会の設立主旨

※この主旨はJKBA発足当時のものです

平成13年7月設立 平成18年8月NPO法人認可

全国の幼児から中学校3年生までのキッズボクサーは活動の場がなく、各地でそれぞれが独自に活動しているのが現状です。指導者及び育成施設にしても、選手の管理指導とともに個別に対応しており、組織整備も未成熟な状態です。このようなボクシング環境の中、横浜市教育委員会、横浜市アマチュアボクシング協会、財団法人横浜市スポーツ振興事業団、財団法人日本ボクシングコミッションを始めとした賛同者各位の後援、支援を得て、平成13年より「全国ちびっ子ボクシング大会」を開催して居ります。

同大会は北海道から沖縄県まで毎年参加者が増加、キッズボクサーにとって毎年楽しみな大会になりました。このようなキッズボクサーとの関り合いから学んだ事は、第一に一生懸命ボクシングをする子は決して悪い方向に進まず、リングに立ちファイトすることを通して「礼儀」「相手に対する思いやり」「勇気」「努力」「自分を信じること」の大切さを学んでいた事です(毎回実施するアンケート結果による)。

近年自分勝手な発言や行動をする子供が増えている中、この大会が健全な青少年の育成に貢献していると考えています。第ニに、現状の組織及び指導のあり方等を抜本的に変えていく事が急務の課題であるという事です。私たちは、全国のキッズボクサー、指導者及び施設その他の要望に対応しながら活動を展開しています。しかし、子供向け全国ボクシング大会の開催、地方大会の認定・支援、キッズボクサーの健康管理指導及び育成施設に対する指導など、協会としてこなすべき課題は山積しております。

これらを、踏まえた上で「特定非営利活動法人(NPO法人)日本キッズボクシング協会」を設立し公益法人として、すべてのキッズボクサーに公正・公平・平等の公益性を運営上に生かし、より子供たちに夢の持てるボクシング事業の運営をしていきたいと思います。

平成18年8月吉日

特定非営利活動法人 日本キッズボクシング協会

理事長 平野 敏夫

JKBA誕生と今

以前、日本には子供を対象にしたボクシング大会が無かった。
2001年以前の話である。
横浜さくらボクシングジムのスタッフや会員、お付き合いのあった関係者の間でこの問題が話題になった。1999年ごろの事である。
各ジムにいる子供達が中学や高校生になると、他のスポーツに移動してしまう、何とかならないか、当時ボクシングの底辺の拡大には避けて通れない事案であった。
早速有志による準備に取り掛かった。子供達の、身体的リサーチは小学校教員、赤嶺新一、高知大学出身でアマボクシングの経験者に任せた。
試合役員の手配、JBC関係者への協力依頼は岩井ミチル横浜さくらジムマネージャーにお願いした。
試合役員のアマ関係者の協力依頼は、横浜さくらジム会長平野敏夫が横浜市アマチュアボクシング協会の木村一郎理事長にお願いした。
JKBAの試合ルールは子供たちの安全を第一に考えて更に将来のアマチュアボクシングを考慮して作成した。アマチュアボクシングルールではグレーゾーンとなるが許容範囲内とし処理できるルールを作成した。ルール確認チェックは(敬称略)、木村一郎、海藤晃、山口幸夫、吉森照夫、平野敏夫、で行った。試合用具グローブはウイニングにお願いして、通常グローブにソフトグローブを併せたもの、ヘッドギヤーは頬が鼻より高いものをそれぞれ特注して準備した。
横浜さくらジムの内藤克史トレーナーが総務を担当して大会を準備した。
当初主催は、横浜さくらボクシングジム・アマチュア部とし、対象を小学生までとし、大会名は「全国ちびっ子ボクシング大会」とした。

告知は大会名称の通り、全国ちびっ子ボクシング大会としてボクシングマガジンを利用して全国に発信した。
この呼びかけに呼応して、第1回全国ちびっ子ボクシング大会は、横浜さくらジムで開催、地方からの参加者も散見された。
回を重ねるたびに全国からの参加者は増加、大会では若き井上尚弥の試合を内藤克史がレフリーを務め、亀田和毅は平野敏夫が裁いた。
子供たちの成長に伴い父兄の要望に応えて当時日本アマチュアボクシン連盟が関与してない中学生まで参加資格の枠を広げた。
その頃には文字通り参加者は、南は沖縄から北は北海道まで、全国に及んだ。
また、韓国のボクシング関係者が子供のボクシング大会に参加したいと来日したのもこの頃であった。
帰国後その年スポーツで活躍した子供に選ばれて韓国政府主催のパーティで表彰されたとの報告を受けた。
横浜さくらボクシングジムを会場にしてスタートした全国ちびっ子ボクシング大会も手狭になり、ラウンドマークタワーホール、横浜赤レンガ倉庫へと会場を移動させた。
この間、日本アマチュアボクシング連盟、川島五郎会長名で、大会はプロボクシングジム、横浜さくらジムの売名行為にあたるとした、申し入れがあった。日連に対してもインパクトの有る大会として成長していたのであろう。
私たちは全国のキッズボクサー及び父兄からニーズのある大会を継続させる為として、特定非営利活動法人日本キッズボクシング協会の認証を受け大会を継続させた。
2001年第1回全国ちびっ子ボクシング大会を開催して5年目の事であった。
2006年より主催をNPO法人日本キッズボクシング協会(JKBA)に変更した。
その後プロボクシング、アマチュアボクシングが追随して、同様キッズ大会を手がける様になり今やプロや、アマでチャンピオンが誕生する下支えとなっている。好ましいことである。
JKBAではプロ、アマとは別に試合役員を育成、現在では同様の大会に、試合役員の派遣も行なっている。
わたしたちが提唱する本来の目的である子供達が安全で健全な成長を促し底辺の拡大を目的とする。結果プロ、アマをリードするトップボクサーが誕生するを理想とする形である。
両団体は、すでにキッズ大会は安定期にあるがキッズ大会を再考して、今なにが不足しているか、これからどうすべきか討議して頂きたい。更なるボクシング界の発展の為に。

今、私たちJKBAは、既に別の課題に向いて走り出している。テーマはボクシングで社会貢献で有る。
老若男女、底辺の拡大と、健康で老いるは真逆の年齢層ではあるが、どちらも重要案件であるとしてJK BAでは問題に取り組んでいる。

2011年にスタートさせたマスボクシングを競技化させたヒットマスボクシングは、その担い手として大きな役割を果たしている。JKBAの今である。